司法書士 過去問
令和7年度
問21 (午前の部 問21)

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問題

司法書士試験 令和7年度 問21(午前の部 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

相続の承認及び放棄に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、選択肢のうち、どれか。

ア  家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続の承認又は放棄をすべき期間を伸長することができる。
イ  Aの相続人Bが相続の承認又は放棄をしないで死亡した場合には、Bの相続人Cは、Bに係る相続の開始があったことを知った時から3か月が経過しているときであっても、Aの相続人としての地位を自己が承継した事実を知った時から3か月以内は、Aに係る相続について承認又は放棄をすることができる。
ウ  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内は、既にした相続の放棄を撤回することができる。
エ  相続人が相続財産を処分した場合において、当該相続人がその処分時に被相続人が死亡したことを確実に予想していたが、被相続人が死亡したことを知らなかったときは、単純承認をしたものとはみなされない。
オ  被相続人Aの子Bが相続の放棄をした場合には、Bの子Cは、Aの相続人とならない。
  • アイ
  • アウ
  • イオ
  • ウエ
  • エオ

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は ウエ です。

 

 ア・ウ・オ は条文知識、

 イ は判例知識、

 エ は条文知識と判例知識両方 が必要な問題でした。

 

 

〇 条文
  利害関係人又は検察官の請求によって、

 相続の承認または放棄をすべき期間を伸長可能です(915条1項ただし書)。

 

〇 判例
  Aの相続人Bが、相続の承認又は放棄をしないで死亡した場合、
  Bの相続人であるCはBの立場をそのまま承継することになります。

 

  このとき、Cは
  「Aに相続が発生していたことを知った日」 ではなく、
  「自分がAの相続人の地位を承継した事実を知った日」から

  熟慮期間(3か月)が進行すると裁判所は判断しています(最判令元.8.9)。

 

  したがって、

 Aの相続開始を知った日から3か月が過ぎてしまっていても、

 Cが自分がAの相続人になったと知った日から3か月以内であれば、

   承認または放棄をすることができます。
  このため、イの記述は判例どおりで 正しい という評価になります。

 

× 条文
  相続の承認及び放棄は、

 撤回することができません(919条1項)。

 

エ × 条文判例
  相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、

 単純承認をしたものとみなされます(921条1号本文)。
  

  ここでいう「処分した」といえるためには、下記①②いずれかを満たす必要があります(最判昭42.4.27)。

 

 ①相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産を処分した
 ②相続人が被相続人の死亡した事実を確実に予想しながらあえてその処分をした

 

  エ は「相続人がその処分時に被相続人が死亡したことを確実に予想していた」ので、
 ②に当てはまり、単純承認をしたものとみなされます。よって誤りです。

 

〇 条文
  相続放棄は代襲原因とならない(887条2項本文参照)ので、

 Bが相続を放棄した場合、被相続人Aの子Bの子Cは、Aの相続人となりません。

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02

相続承認または放棄に関する問題となります。

選択肢4. ウエ

ア 民法915条において「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。」と規定されていることから、正しい答えとなります。

 

イ Bの相続人Cは、Bに係る相続の開始があったことを知った時から3か月が経過しているときであっても、Aの相続人としての地位を自己が承継した事実を知った時から3か月以内は、Aに係る相続について承認又は放棄をすることができることから、正しい答えとなります。

 

ウ 民法919条において「相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができない。」と規定されていることから、誤りとなります。

 

エ 当該相続人がその処分時に被相続人が死亡したことを確実に予想していた場合は単純承認とみなされることから、誤りとなります。

 

オ そのとおりであることから、正しい答えとなります。

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