司法書士 過去問
令和7年度
問26 (午前の部 問26)
問題文
ア Aが、自己が所有する不動産に抵当権を設定した後にその旨の登記がされていないのを奇貨として、更に他の者に対して抵当権を設定し、その旨の登記を完了させた。この場合、1番抵当権者に対するAの抵当権設定の登記義務は設定者であるA固有の事務であって他人の事務ではないから、Aに背任罪は成立しない。
イ 任務に違背して担保を徴せずに回収見込みのない者に貸付けを行った場合には、当該貸付けに係る貸金債権の返済期限が到来し、現実に回収不能であることが明らかとなった時点で、初めて背任罪における「財産上の損害」が認められる。
ウ 「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」については、意欲ないし積極的認容まで必要である。
エ 「自己若しくは第三者の利益」における「利益」には、自己の信用・面目が失墜することを防止することも含まれる。
オ 自己又は第三者の利益を図る目的と本人の利益を図る目的が併存する場合であっても、本人の利益を図る目的が決定的な動機でなく、主として自己又は第三者の利益を図る目的で行われたものであれば、「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」があったと認定するのを妨げない。
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問題
司法書士試験 令和7年度 問26(午前の部 問26) (訂正依頼・報告はこちら)
ア Aが、自己が所有する不動産に抵当権を設定した後にその旨の登記がされていないのを奇貨として、更に他の者に対して抵当権を設定し、その旨の登記を完了させた。この場合、1番抵当権者に対するAの抵当権設定の登記義務は設定者であるA固有の事務であって他人の事務ではないから、Aに背任罪は成立しない。
イ 任務に違背して担保を徴せずに回収見込みのない者に貸付けを行った場合には、当該貸付けに係る貸金債権の返済期限が到来し、現実に回収不能であることが明らかとなった時点で、初めて背任罪における「財産上の損害」が認められる。
ウ 「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」については、意欲ないし積極的認容まで必要である。
エ 「自己若しくは第三者の利益」における「利益」には、自己の信用・面目が失墜することを防止することも含まれる。
オ 自己又は第三者の利益を図る目的と本人の利益を図る目的が併存する場合であっても、本人の利益を図る目的が決定的な動機でなく、主として自己又は第三者の利益を図る目的で行われたものであれば、「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」があったと認定するのを妨げない。
- アイ
- アウ
- イエ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (2件)
01
背任罪に関する問題となります。
ア 1番抵当権者に対するAの抵当権設定の登記義務はAに優先して抵当権を設定しないという事務を負うことから背任罪は成立するとして、誤りとなります。
イ 現実に回収不能であることが明らかとなった時点で、初めて背任罪における「財産上の損害」が認められるわけではないため、誤りとなります。
ウ 積極的認容までは必要でないため、誤りとなります。
エ 「利益」には、自己の信用・面目が失墜することを防止することも含まれることから、正しい答えとなります。
オ 主として自己又は第三者の利益を図る目的で行われたものであれば、「自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的」があったと認定するのを妨げないことから、正しい答えとなります。
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02
正解は エオ です。
全て 判例知識 が必要な問題でした。
ア × 判例
抵当権を設定した者は、その登記を完了するまでは、抵当権者に協力する任務を有する(最判昭31.12.7)ため、Aに背任罪(247条)が成立します。
イ × 判例
会社に債務の弁済能力があることを示す外観を作り出して、甲銀行をして更に乙会社への融資を行わせることなどを目的として行われたものであるなど判示の事実関係の下においては、甲銀行が手形保証債務を負担したことは、「財産上の損害」に当たる(最決平8.2.6)ため、現実に回収不能であることが明らかとなった時点ではありません。
ウ × 判例
意欲ないし積極的認容までは要しない(最決昭63.11.21)ため、誤りです。
エ 〇 判例
「自己の利益を図る目的」とは、身分上の利益その他全て自己の利益を図る目的であれば足り、必ずしも財産上の利益を図る目的である必要はない(大判大3.10.16)ため、正しいです。
オ 〇 判例
主として自己若しくは他人の利益を図る目的がある以上は、これに付随して本人の利益を図る目的があっても背任罪(247条)が成立する(東京高判昭42.12.15)ため、正しいです。
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