司法書士 過去問
令和7年度
問65 (午後の部 問30)
問題文
以下の試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
株式の譲渡制限に関する規定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、選択肢のうち、どれか。
ア 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」と定款に定めて登記している会社が、当該規定中ただし書を削除する旨の定款の変更をした場合において、現に株券を発行しているときであっても、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、株券提出公告をしたことを証する書面を添付する必要はない。
イ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記している会社が、「ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」とのただし書を追加する旨の定款の変更をした場合には、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、当該定款の変更が、株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって可決された旨の株主総会の議事録を添付しなければならない。
ウ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することはできない。
エ 取締役会設置会社でない会社において、株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役の過半数の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することができる。
オ 会社法上の公開会社でない監査役会設置会社が株式の譲渡制限に関する規定を廃止する旨の定款の変更をした場合には、役員の任期満了による退任の登記をもしなければならない。
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問題
司法書士試験 令和7年度 問65(午後の部 問30) (訂正依頼・報告はこちら)
以下の試験問題については、問題文に明記されている場合を除き、定款に法令の規定と異なる別段の定めがないものとして、解答してください。
株式の譲渡制限に関する規定の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、選択肢のうち、どれか。
ア 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」と定款に定めて登記している会社が、当該規定中ただし書を削除する旨の定款の変更をした場合において、現に株券を発行しているときであっても、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、株券提出公告をしたことを証する書面を添付する必要はない。
イ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役会の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記している会社が、「ただし、当会社の株主が当会社の株式を譲渡により取得する場合においては取締役会が承認をしたものとみなす。」とのただし書を追加する旨の定款の変更をした場合には、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、当該定款の変更が、株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって可決された旨の株主総会の議事録を添付しなければならない。
ウ 株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することはできない。
エ 取締役会設置会社でない会社において、株式の譲渡制限に関する規定として「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役の過半数の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することができる。
オ 会社法上の公開会社でない監査役会設置会社が株式の譲渡制限に関する規定を廃止する旨の定款の変更をした場合には、役員の任期満了による退任の登記をもしなければならない。
※ <改題>
本問は、令和7年度司法書士試験の出題内容について、現行会社法上の解釈により正誤関係が分かれ得るため、学習用問題として正答が一つに定まるように設問文を改題しました。
- アウ
- アエ
- イウ
- イオ
- エオ
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は イウ です。
全て 条文知識 が必要な問題でした。
ア 〇 条文
当該ただし書を削除する旨の定款の変更をした場合、株主間譲渡についても会社の承認が必要になります。
しかし、会社法219条1項1号で株券提出公告が必要とされているのは、株式の譲渡制限に関する定款の定めを新たに設ける場合です。
この事例は、すでにある株式の譲渡制限に関する規定の内容を変更する場合であり、新たに譲渡制限の定めを設ける場合ではありません。
そのため、株式の譲渡制限に関する規定の変更の登記の申請書には、株券提出公告をしたことを証する書面を添付する必要はありません。よって正しいです。
イ × 条文
当該ただし書を追加する旨の定款の変更をした場合には、譲渡制限の緩和により、株主総会の特別決議で足ります。当該株主総会において議決権を行使することができる株主の「議決権の過半数を有する株主」が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない(会社309条2項)と規定されていることから、「議決権を行使することができる株主の半数以上」ではありません。よって誤りです。
ウ × 条文
株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる(会社107条1項)。譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること(会社107条1項1号)と規定されていることから、「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することはできます。よって誤りです。
エ 〇 条文
株式会社が第136条又は第137条第1項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない(会社139条1項)と規定されていることから、「当会社の株式を譲渡により取得するには取締役の過半数の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することができます。よって正しいです。
オ 〇 条文
前各項の規定にかかわらず、次に掲げる定款の変更をした場合には、取締役の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する(会社332条7項)その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。)(会社332条7項3号)と規定されていることから、正しいです。
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02
株式の譲渡制限に関する問題となります。
ア 株券提出公告をしたことを証する書面の添付は必要ありません。よって、正しい記述となります。
イ ただし書を追加する旨の定款の変更をした場合には、特殊決議ではなく、特別決議でよいことから、誤りとなります。
ウ 「当会社の株式を譲渡により取得するには当会社の承認を受けなければならない。」と定款に定めて登記することはできることから、誤りとなります。
エ 本選択肢のとおり、正しい答えとなります。
オ 会社法332条第7項第3号において取締役の任期満了事由として「その発行する株式の全部の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを廃止する定款の変更(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社がするものを除く。)」と規定されていることから、正しい答えとなります。
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