司法書士 過去問
令和8年度
問23 (民法 問20)

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問題

司法書士試験 令和8年度 問23(民法 問20) (訂正依頼・報告はこちら)

遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、選択肢のうち、どれか。

ア  遺言者は、その遺言中に当該遺言が最終の遺言であって撤回することはない旨を表示することにより、当該遺言を撤回する権利を放棄することができる。
イ  公正証書によってした遺言は、自筆証書によってした遺言により撤回することができない。
ウ  負担付遺贈を受けた者が、相続人から相当の期間を定めてその負担した義務の履行の催告をされたにもかかわらず、その期間内に履行をしないときは、当該相続人は、当該負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。
エ  遺言者が、甲土地をAに遺贈する旨の遺言をした後に甲土地をBに生前贈与したときは、当該遺言を撤回したものとみなされる。
オ  遺言者が、過失によって遺言書の一部をシュレッダーで裁断したときは、その部分については、遺言を撤回したものとみなされる。
  • アイ
  • アエ
  • イオ
  • ウエ
  • ウオ

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この過去問の解説 (1件)

01

本問は、「遺言の撤回(および取消し)の効力と要件」の論点です。

遺言は「遺言者の遺志(最終意思)」の尊重を理念とするため、生前に自由に撤回できる自由が強力に保護されています。この遺言者の最終意思をどのようにして保護するかがこの論点を解く上でのポイントになります。

選択肢4. ウエ

ア:誤り

遺言は「死の直前における最終意思」を反映させるべき制度です。

最終ではない過去の意思に縛られるのを防ぐため、遺言者が撤回権を放棄する特約を結んだり宣言したりしても法律上無効とされ、いつでも自由に撤回できます。


 

イ:誤り

遺言方式(公正証書・自筆証書など)に優劣や上下関係は制度上用意されていません。

たとえ公証人の関与した厳格な公正証書遺言であっても、後に民法の要件を満たした自筆証書遺言を新たに作成することで有効に撤回できます。


 

ウ:正しい

受遺者が負担義務を果たさない場合、遺言者の最終意思(負担履行を前提とした財産供与)が裏切られます。

そこで相続人保護と「遺言者の最終意思」の目的達成のため、相当期間を定めて催告した上で家庭裁判所に取消しを請求できる道が用意されています。


 

エ:正しい

生前に目的物を第三者へ譲渡する行為は、「特定人に与える」とした従前の遺言内容と物理的・法律上両立しません。

両立不能な処分をした場合、「遺言者の最終意思」が変わったものとして、抵触する限度で撤回が擬制されます。


 

オ:誤り

物理的な遺言書の破棄によって撤回とみなされるには、「遺言者の最終意思」として「効力を失わせる意思(故意)」が必要です。

うっかりなどの過失で裁断した場合は「最終意思の変更」とはいえず、撤回とみなされる要件を欠きます。

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